皆さん、こんにちは。
大阪府堺市を拠点に、電気設備工事・空調設備工事・防災設備工事を手掛けている松電工舎です。
電気工事士として働いている方の中には、将来の独立を考えている方も多いと思われます。その一方で、「独立してもちゃんとやっていけるのかな」「条件のいい会社に転職する方がベターでは……」と迷っている方もいらっしゃるでしょう。
実際のところ、独立して失敗したと感じるケースはあります。そのため独立する時は、メリットとデメリットをよく理解した上で判断することが大切です。
ここでは、電気工事士が独立する時に必要なものや、独立のメリット・デメリットと注意点について解説します。
■電気工事士が独立する時に必要なもの
最初に、電気工事士の独立の条件について確認しておきましょう。「独立なんて簡単にはできないのでは?」と思うかもしれませんが、誰でも独立開業することは可能です。ただし、いくつかの条件が求められます。
最低限必要なのは、もちろん電気工事士の資格です。これを持っていないと、電気工事そのものを行うことができません。とはいえ、現時点で電気工事士として働いている方なら、すでに取得しているでしょう。
なお、第一種と第二種のどちらでも独立開業は可能ですが、第二種だと扱える工事の規模がかなり限定されてしまいます(一般家屋や小規模な商店の電気工事しかできない)。仕事の幅を広げ、安定して依頼を確保するためにも、第一種電気工事士を取得しておくのがおすすめです。実務経験もより多く積み、スキルを磨いている方が有利になります。
また、開業する際には電気工事業者としての登録が必要です。届出先は状況によって異なりますが、1つの都道府県にのみ営業所を置く場合は、その都道府県の電気工事担当窓口に届出を行います。必要な書類をもれなくそろえて申請しましょう。
さらに、電気工事業者として登録するためには、営業所ごとに「主任電気工事士」を配置する必要があります。主任電気工事士として認められるためには、第一種電気工事士の資格か、第二種電気工事士の資格+3年以上の実務経験が必要になります。つまり電気工事士の資格は、「業者としての登録」と「実際の工事」の両面において必要だということです。
注意点として、第二種で登録する場合の実務経験は、自己申告ではいけません。独立前に勤務していた会社から、勤務記録の証明書を発行してもらう必要があります。その勤務先自体が電気工事業者として登録されていなければ、何年働いても実務経験とはみなされない点にご注意ください。
そして、独立開業にあたっては、さまざまな準備をするための開業資金の確保も必要です。開業の初期費用の内訳としては、事務所の物件費や内装工事費、工具・車両・事務用品の購入費用やリース費用などが挙げられます。
必要な金額は人によって異なるので一概にはいえませんが、500万円程度が相場です。開業後しばらくは安定して仕事を確保できない可能性もあるので、資金は多めに用意しておきましょう。
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■電気工事士が独立するメリットとデメリット
電気工事士の独立開業には、メリットがある一方デメリットもあります。メリットだけに注目して独立すると失敗しやすいため、デメリットもしっかりと理解しておくことが重要です。主なメリットとデメリットを確認しておきましょう。
・メリット
独立開業の大きなメリットは、スケジュールの自由度が高くなることです。とくに個人事業主(いわゆる一人親方)の場合は、どのような仕事をどのくらい取ってくるのかを、基本的にすべて自分で決めることができます。「ちょっと疲れたな」「旅行に行きたいな」と思ったら、長期休暇を取ることも可能です。
法人化して人を雇用する場合はここまで自由には行きませんが、会社の大まかな方向性は自分で決められます。無理に仕事を詰め込むのではなく、ワークライフバランスを重視した会社経営を行えば、従業員も喜んでくれるでしょう。
逆に、仕事を多く取ってくることも可能なので、自分の能力次第でどんどん稼ぐこともできます。実際に、会社員時代よりも年収がアップし、年収600万~700万程度を達成している個人事業主もいます。
そして、このような自由な働き方により、仕事にやりがいを感じられるようになるのも魅力です。個人事業主なら上司や部下との関係を意識する必要もなくなりますから、ストレスが減って気楽に働けるようになる場合もあります。
・デメリット
独立開業のデメリットは、営業活動や新規開拓が非常に大変だということです。個人事業主の場合は、仕事をすべて自分で獲得してこなければなりません。もし営業活動がうまくいかなければ仕事を獲得できず、収入が途絶えてしまいます。「独立して1年以上経過したけど、得意先が1軒しかない」「つらくなって会社員に戻った」というケースも実際にあります。
そのため、継続的に営業活動を行える根気や、円滑なコミュニケーション能力は必要不可欠です。電気工事には自信があるけど営業活動が苦手という方は、おそらく苦労することになります。
「稼ぎたいだけ稼げる」というのも、あくまでも仕事を安定して獲得できている場合の話です。この「収入が不安定になりやすい」という点が、独立開業の最大のデメリットといえるでしょう。
また、営業だけでなく事務作業も、すべて自分で行う必要があります。慣れない事務作業をしていると時間がかかり、ストレスがたまるだけでなく、肝心の電気工事ができる時間が減ってしまうかもしれません。これもまた、収入の減少・不安定化につながる可能性があります。
もちろん、法人化して営業や事務の担当者を雇用すれば、これらの問題点は解消できるかもしれません。しかしその分、従業員の管理を行い給与も支払う必要があります。別の部分で大変になることは意識しておくべきでしょう。
》インボイス制度は電気工事士の個人事業主にどんな影響が?わかりやすく解説します
■失敗しないために確認! 独立で注意すべきポイントとは?
ここまで見てきたように、電気工事士の独立開業にはデメリットもあります。失敗しないためには、ポイントを押さえて準備を整えることが大切です。以下の2つのポイントは、必ず意識しておきましょう。
・十分な発注量のある固定客を獲得してから独立する
1番重要なのは、十分な発注量のある固定客を獲得した上で独立することです。年間を通して安定的に仕事を回してくれる固定客がいれば、たとえ新規開拓ができなくても、当面は収入を得ることができます。
もちろんそのためには、今の勤務先で結果を残し、取引先からの信頼を得ることが大前提です。「この人なら独立しても仕事を任せられる」と思ってもらえれば、独立後の取引先になってくれる可能性が高まります。
また、上司や経営者に話をしておき、仕事の一部を回してもらうという方法も考えられます。いずれにしても、電気工事士としての高評価を得ることがすべての基本です。日々の仕事一つひとつを丁寧に行い、信頼構築に努めましょう。
・今まで以上に責任を伴うことを意識する
独立開業すると、会社員時代以上に責任を負うことになります。なぜなら、会社員のように他の人のサポートを受けられず、すべての業務を自分で行う必要があるからです。
たとえば、夜間に緊急のトラブル対応の電話がかかってきた時、会社なら担当者がうまく対応してくれるでしょう。しかし、個人事業主はこのような時にも自分で対応しなければなりません。寝ていて電話に気づかなかったために緊急対応ができず、取引先の信頼を失って契約を切られる……という事態も考えられます。
実は松電工舎の代表も、最初は個人事業主として独立しましたが、2年後には法人に切り替えて再出発しました。個人事業主にはいろいろと限界があることを悟り、取引先と長くお付き合いするためには、法人化した方がいいと判断したのです。
もし個人事業主として働くなら、会社員以上の強い責任感と覚悟を持っておくべきでしょう。ただ単に「今の会社に不満があるから」というだけで独立しても、おそらく成功はしません。労働環境などの問題は、独立ではなく転職で解決できることも多いため、十分に検討した上で判断するのがおすすめです。
■まとめ
働き方が多様化している昨今では、電気工事士の独立も立派な選択肢といえます。しかしながら、独立開業にはメリットだけでなくデメリットもあるため、本当に自分に合っているのかどうかをよく考えることが大切です。
「もっとプライベートの時間を確保したい」「働きに見合った給与がほしい」という場合は、独立ではなく好条件の会社に転職するという選択肢もあります。まずは、自分がどのような働き方をしたいのかをまとめ、それに最もふさわしい選択肢を選ぶといいでしょう。
■松電工舎の電気工事士は、ライフスタイルに合った働き方ができます!
松電工舎では現在、電気工事士・消防設備士・管工事士として一緒に働いてくださる方を募集しております。弊社は大阪府堺市を拠点に、店舗やオフィスなどの電気設備工事・空調設備・防災設備工事を手掛けている会社です。
入社時は電気工事士の資格は必要なく、徐々に仕事を覚えながら資格を取得していただきます。資格および免許の取得支援制度があり、費用は全額会社負担のため、お金の心配をせず勉強に励むことが可能です。
また、研修体制も充実しています。1人で作業することはなく常にグループで行動し、経験豊富な先輩が指導しますので、未経験でも問題ありません。大手商業施設などの施工依頼も多く、現場の仕事を通じて飛躍的なスキルアップが望めます。
そのため、真面目で規則を守れる方や礼儀正しい方、体力に自信のある方、そして成長する意欲のある方は、どなたでも大歓迎です。実際に未経験で入社して現場管理をしている社員もいる他、女性社員や外国人社員も活躍しています。
もちろん、業界経験者や有資格者は経験と能力に見合った待遇でお迎えし、個人事業主(一人親方)として働いていた方も歓迎いたします。個人事業主から正社員への採用実績もありますので、ご希望の方はぜひご相談ください。
さらに、労働環境の整備にも力を入れており、土日は原則として休日で、平日はほぼ残業がありません。プライベートを重視したい方は土日に休み、逆に稼ぎたい方は平日休み・土日出勤するなど、自分に合った働き方が可能です。もちろん、がんばりはしっかり評価して給与に反映させている他、資格手当などの福利厚生も充実しております。
働きやすい環境で専門的なスキルを身につけ、社会を支え将来性もある仕事をしてみませんか? 興味がある方はお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。
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