蛍光灯が生産終了!蛍光灯の2027年問題とは? 問題の背景や今後の影響をわかりやすく解説!  

皆さん、こんにちは。

大阪府堺市を拠点に、電気設備工事・空調設備工事・防災設備工事を手掛けている松電工舎です。


照明設備・器具にはさまざまな種類がありますが、その中でも最も身近な器具の1つが「蛍光灯」です。最近はLEDへの切り替えが進んでいますが、まだまだ蛍光灯が現役だというご家庭や企業も多いでしょう。


そんな蛍光灯ですが、実は2027年末をもって製造と輸出入が禁止になることをご存じでしょうか? これは各方面に大きな影響を与え、電気工事士の需要増にもつながると予測されています。


ここでは、蛍光灯の「2027年問題」の背景や、予測される影響とその対策について解説します。




■蛍光灯の「2027年問題」とは?



最初に、蛍光灯の製造・輸出入が禁止された経緯について知っておきましょう。そもそも蛍光灯には、材料として微量の水銀が使われています。水銀は、いわゆる四大公害病である水俣病や新潟水俣病の原因にもなった、非常に有害な物質です。


そのため、水銀による健康被害や環境汚染の防止を目的として、「水銀に関する水俣条約」という国際条約が2017年に発効。水銀を含む製品の製造・輸出入が原則禁止となり、電球形蛍光灯・コンパクト形蛍光灯といった一部の蛍光灯も、2025年末での製造・輸出入の禁止が決定しました。


さらに、2023年10月末~11月初旬にスイスのジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」では、規制の対象外になっていた直管蛍光灯も、2027年末までに製造・輸出入を禁止すると決定。その結果、一般照明用のすべての蛍光灯が、その製造と輸出入を段階的に禁止されることになったのです。


もちろん、あくまでも「製造」と「輸出入」が禁止されるのであって、「売買」や「使用」は今後も認められます。そのため、今ある蛍光灯を寿命が来るまで使い続けることはできますし、在庫を大量にストックしておいて使うことも可能でしょう。


しかし、2028年以降は、交換用の蛍光灯を手に入れるのが非常に難しくなります。在庫もいつかはなくなることを考えると、現在使用されている蛍光灯は、コストをかけてでも別の照明器具に切り替えなければなりません。


もし大規模な施設で照明の切り替えが間に合わなければ、営業・操業に支障をきたす可能性もあります。こういった蛍光灯をめぐる問題が、関係者の間で「2027年問題」と呼ばれているのです。




■蛍光灯の製造・輸出入禁止の背景~健康被害と環境汚染



上述したように、蛍光灯の製造・輸出入が国際条約で禁止された背景には、水銀による健康被害や環境汚染があります。これら2点について、より深く掘り下げてみましょう。



・健康被害のリスク

蛍光灯に使用されている水銀は、非常に毒性が強い物質です。四大公害病である水俣病や新潟水俣病は、工場排水に含まれる水銀によって汚染された海産物を、住民が長期間食べ続けたことで引き起こされました。


水俣病の症状は頭痛や耳鳴り、視野狭さく、言語障害、歩行障害、難聴などで、最悪死亡し胎児にまで影響を与える場合もあります。締約国会議では水俣病などの教訓をもとに、水銀を使用した蛍光灯を廃止すると結論づけました。



・地球環境への配慮

水銀を含む蛍光灯が適切に処理されなければ、放出された水銀によって土壌汚染や水質汚染が引き起こされます。これらは農産物や海産物を汚染し、結果として私たち人間にも健康被害をもたらすでしょう。そのため、オフィスや工場で使った蛍光灯を廃棄する時は、都道府県から許可を得ている業者に委託し産業廃棄物として処理する必要があります。


しかしながら、適切に処理されず不法投棄されているケースも少なくないのが実情です。このようなトラブルを根本的に防ぐため、締約国会議では「水銀を使用した蛍光灯の製造・輸出入をやめよう」という結論に至りました。




■蛍光灯の製造・輸出入が禁止されるとどうなる?



健康被害や環境汚染のリスクを考慮すると、水銀を含む蛍光灯の製造・輸出入が禁止されたのは妥当といえるでしょう。しかしながら、蛍光灯は私たちの身近な照明手段として定着しています。その製造や輸出入が禁止されれば、各方面にさまざまな影響が及ぶと考えられます。特に意識しておかなければならないのは以下の2つです。



・蛍光灯の品不足、値上がり

蛍光灯の製造と輸出入が禁止されれば、購入可能な蛍光灯は2027年末時点で製造・輸入済みのものだけになります。当然、蛍光灯は品不足に陥り、その結果として値上がりするでしょう。蛍光灯はLEDに比べて単価が安いのがメリットですが、今後はそのメリットすらも薄れるかもしれません。


そもそも蛍光灯は、水俣条約による規制や原材料価格・物流コスト・海外での人件費の高騰などを受け、生産終了や値上げが進められてきました。現在、蛍光灯を製造している主要メーカーはパナソニック、東芝ライテック、ホタルクスの3社のみで、いずれも値上げを繰り返しています。今後、さらなる値上げが行われる可能性は非常に高いと思われます。



・LED照明の値上がり

蛍光灯からの切り替え先として推奨されているのがLED照明です。LEDは蛍光灯に比べて寿命が長く、消費電力が少なく、高いコストパフォーマンスを誇ります。また、燃費の良さによりCO2排出量が抑えられ、蛍光灯と違って水銀も使われていないなど、環境負荷が小さいのも大きなメリットです。


しかしながら、切り替え工事の増加によってLEDの需要が増加すれば、こちらもやはり値上がりする可能性があります。すでに樹脂・鋼材といった材料価格の高騰により、多くのメーカーで値上げをしているため、今後も値上げは続くと見るべきでしょう。LEDへの切り替え工事を先延ばしにすると、高い買い物になるかもしれません。




■蛍光灯の『2027年問題』にどう対応すべきか



蛍光灯の製造・輸出入の禁止がすでに決まっている以上、私たちは今から「2027年問題」に備えておく必要があります。具体的には、以下のような対応を取りましょう。



・使っている照明が蛍光灯か確認

まずは、現在使っている照明器具が蛍光灯なのかどうかを確認しましょう。すでに別の照明に切り替えたと思っていたら蛍光灯だった……というケースもありえますし、その逆も考えられます。経済産業省も、照明の種類がわからない場合はメーカーや取扱店に問い合わせるよう呼びかけています。


交換工事には費用と手間がかかりますから、しっかりと工事計画を立てることが大切です。何よりも先に、交換が必要な照明がどのくらいあるのかを正確に把握しましょう。



・早めにLED照明へ交換の依頼を!

2027年末までにはまだ3年以上あるため、「そんなに慌てなくても大丈夫だろう」と考える方もいるでしょう。しかし、LED照明への切り替え工事は、できる限り早めに依頼するのをおすすめします。


なぜなら、2027年末に向けて切り替え工事の駆け込み需要が発生し、電気工事業者を確保するのが難しくなると予測されているからです。ギリギリになってから依頼しようとしたら、数ヶ月先まで予定が埋まっていて対応不能……というケースも考えられます。確実に間に合わせるために、相談だけでも早い段階でしておくといいでしょう。



・電気工事士を目指す人にとってはチャンスかも!

2027年問題は、大量の蛍光灯を使っている企業・施設にとっては悩ましい話ですが、電気工事士を目指している人にとってはチャンスでもあります。というのも、上述したようにLEDへの切り替え工事の需要が増加するため、工事を行う電気工事士の需要も増えると考えられるからです。


どれだけ多くの依頼が入ってきても、担当する電気工事士が不足していれば受注することはできません。もともと電気工事士は人手不足の状態になっていますから、2027年末に向けてさらに求人が増加すると考えられます。すでに電気工事士の資格を持っている方はもちろん、未経験の方もぜひチャレンジしてみるといいでしょう。


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■まとめ



蛍光灯の製造・輸出入禁止は、国際的な会議で決められた確定事項であり、変更されることはまずないと考えられます。私たちはこの『蛍光灯の2027年問題』への対策を、確実に講じておかなくてはなりません。


蛍光灯の在庫はいずれなくなり、価格も高くなると予想されるため、早い段階でLEDに切り替えるのが最も基本的な対策です。それに伴い、電気工事士の需要も高まっているため、電気工事業への就職・転職を目指す方にもチャンスが到来しています。興味のある方は、ぜひこの機会に電気工事業に挑戦してみてください。




■松電工舎では電気工事士や消防設備士を募集しています!



松電工舎では現在、電気工事士・消防設備士・管工事士として一緒に働いてくださる方を募集しております。弊社は大阪府堺市を拠点に、店舗やオフィスなどの電気設備工事・空調設備・防災設備工事を手掛けている会社です。


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